
【ヤシガニ (椰子蟹)(Birgus latro、Robber Crab (泥棒蟹)あるいは Palm Thief (椰子泥棒)などと呼ばれることもある。】
確認地:サイパン
生息域がインド洋の最西端からミクロネシアまで広がっているため、様々な名前で知られており、
グアムではアユユと呼ばれ、その他の地域ではウンガ、カヴュ等と呼ばれることがある。
分類:エビ目(十脚目)・ヤドカリ下目・オカヤドカリ科に分類される甲殻類の一種。陸上生活をする甲殻類では最大種である。
概要:ヤシガニは陸上で生活をする最大の甲殻類である。名前の通りカニに似るが、オカヤドカリの仲間である。
雄は雌より大きく体長は40センチメートルを超え、脚を広げると1メートル以上にもなり、4キログラム以上に成長する。
タカアシガニには及ばないものの、最大級の大きさである。
ヤシガニの体は、大きく分けると頭胸部と腹部に分けることができ、10の肢を持つ。
2本の前肢は、巨大なハサミになっており、30キログラム近くのものを持ち上げることができる。
次の3対の肢は小さなハサミになっており、陸上歩行に適した形になっている。
また、垂直にヤシの木を登ることも出来る。沖縄においてよく目撃されるのは、アダンの木に登ることである。
木に登るときも降りるときも、頭を上に向けている。
また、これらの肢は食べ物を扱うことが出来る。最後の対は非常に小さく、歩行ではなくえらの掃除に使われる。
この肢は折りたたまれて鰓室の中に入っているため、外部からは見えない。
ヤシガニはヤドカリの仲間ではあるが、その大きさのため成体は体に見合う大きさの貝殻を見つけることは困難である。
若いヤシガニは、カタツムリの殻などを用い、成長するにつれて、ヤシの実などを使うこともある。
他のヤドカリとは違い、成体は腹部をキチン質や石灰質で覆い硬くし、カニのように尾を体の下に隠すことで身を守る。
腹部を硬い物質で覆うことで地上で暮らすことによる水分の蒸発を防ぐ。
しかし、定期的に腹部を脱皮する必要があり、再び腹部が硬くなるまでは30日ほどかかる。
この間、ヤシガニは身を隠す。
ヤシガニは地下にハサミを使って掘った穴や岩の割れ目を住処とする。
日中は天敵と直射日光を避けるために穴の中に隠れており、雨や霧の日でない限り外に出ることを避ける。
ただし生息数が多い地域では、日中にも食べ物を探しに現れることもある。
巣の中で休んでいる時は、入り口をハサミでふさぎ、巣の中の環境を一定に保つようにする。
ヤシガニはほぼ陸上生活に適応しているため、海岸線から6キロメートル以上も離れたところで発見されたこともある。
ヤシガニは成長すると産卵時を除いて水に入る事は無い。
また、まったく泳ぐことが出来ないため、波打ち際までしか入ることが出来ず、水の中では溺れる。